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以下は予備実験の内容であり、広島電鉄の路面電車を使ったデジタルサイネージに
ついての詳しいことは、こちらを参照ください。
➜ 路面電車を使った移動体デジタルサイネージ実験
路面電車でのデジタルサイネージ予備実験
2009/03/30
概要 †
日時:2009年3月30日(月) 9:30~16:00頃
広島電鉄路面電車においてデジタルサイネージシステム、動画の再生が路面電
車の移動等によって途切れることなく実現が可能であるかどうか,宮島口駅から広
島駅へ向かいその間のシステムの状況を調査した。
図1 サイネージシステム概要
図2 測定経路(宮島口駅~広島駅)
目的 †
- 電車への使用機器の取付方法の確認
- 電車内のサイネージシステム全体の配線と動作確認
- 宮島口駅~広島駅間での計測
- サイネージマシンの連続動作確認
- 周囲の無線LANの調査
- Eモバイルの通信速度
サイネージシステムの動作確認 †
サイネージシステムを実装するためのPCを
床に設置しています。
車両の前後の画面に同じ映像を流すため、無線LANの
指向性アンテナを車内に設置しました。
実際はこのようにデジタルサイネージシステムを
路面電車へと反映させて、広告や地域情報など
様々なコンテンツを表示していく予定です。
GPSのアプリケーションやCO2濃度などの様々なコンテンツを表示しています。
サイネージシステムを用いて動画の再生について確認しました。
無線LANやWANの基礎データの収集 †
電波状況を観測している様子です。
RTTとスループットを観測しています。
USB無線子機を用いて電波状況を観測しています。
電車の運転席ににGPSを設置し、電車の位置情報を計測しました。
実験結果 †
- 電車への使用機器の取付方法の確認
電車への使用機器の取付方法を作業を通じて確認しました。
- 電車内のサイネージシステム全体の配線と動作確認
電車内でのサイネージシステム全体の配線と動作確認をしました。動作確認については
次に述べています。
- 宮島口駅~広島駅間での計測
- サイネージマシンの連続動作確認について
サイネージマシンの連続動作確認について上記の写真のようにGPSのアプリケーション
やさまざまなコンテンツ、動画の再生などを表示して連続動作の確認をしました。
- 周囲の無線LANの調査結果について
図3 宮島駅ー広島駅間のAP数
図4 西区井口ー広島駅間のAP分布
図5 宮島駅ー広島駅間の電波強度
- 図3は宮島駅から広島駅間での時間による観測できているAPの数の変化を表して
います。図3を見ると紙屋町から的場町付近ではAP数が比較的多くなっているこ
とがわかります。
- 図4はAP数の分布示す例として西区井口付近から広島駅までの場所によるAP数の
分布を示しています。AP分布の詳細情報は下記URLへ
- 図5は宮島駅から広島駅間での時間によるSNRの変化を表しています。測定場所に
よって最大SNRはそれほど大差はありませんが、紙屋町から的場町付近間では比較
的SNRも高くなっていることがわかります。これはSNRはAP数に依存していることを表し
ていると考えられます。
※AP(アクセスポイント):パソコン通信/インターネットに接続するために設けられ
た施設のことです。
※SNR:信号に対するノイズ(雑音)の量を対数で表したもので、数値が大きいほど雑音が
少なく高品質の信号が得られることを意味します。
- Eモバイルの通信速度について
図6 宮島駅ー広島駅間のRTT
図7 宮島駅ー広島駅間のスループット
図8 宮島駅ー広島駅間のRTTとスループット
- 図6は宮島駅から広島駅間でのRTTの時間による変化を表しています。タイムアウト
を3秒としていることから3000msより大きいRTTの値が表示されていないグラフになっ
ています。
- 図7は宮島駅から広島駅間でのスループットの時間による変化を表しています。図7
を見ると、八丁堀駅付近でスループットの値が小さくなっているのがわかります。
- 図8は宮島駅から広島駅間でのRTTとスループットの時間による変化を表しています。
図8を見ると八丁堀駅付近ではスループットの値が小さいのでRTTの値は大きくなっている
ことがわかります。
※RTT:往復遅延時間。あるデータを送ってから、相手の確認応答が戻ってくるまでに
かかる時間のことです。
※スループット:単位時間あたりの処理能力です。