Top > イベント > WiMAXストリーム配信実験

WiMAXによる広島市立広島工業高等学校
マラソン大会のストリーム中継実験
2008/02/17

概要

ビッグアーチで2008年2月17日(日)に開催される、広島市立広島工業高校(市工)のマラソン大会を、広島市立大学情報棟の屋上に設置されたWiMAX基地局と、ビッグアーチに設置するCPE端末を使用して、リアルタイムストリーミングの中継を行います。

  • 中継スケジュール詳細
    • 9:10頃 : ビッグアーチの外に集合、開会式 ←中継開始
    • 9:30 : ビッグアーチに入場
    • 9:50 : 女子のスタート
    • 9:55 : 男子のスタート
    • 10:05~10:20頃 : 女子のゴール
    • 10:20~11:00頃 : 男子のゴール
    • 11:20~11:45頃 : 閉会式

中継は、場内のテレビカメラあるいは外のカメラの映像に、ランナーの着順順位を 合成(picture in pucture)したものを、エンコーダでIPストリーム化し、 WiMAX無線を経由してインターネットに配信を行う形になります。 外のカメラは、小型PCに接続したUSBカメラで撮影した映像をVLCにてエンコードし、 無線LANブリッジを経由して、ビッグアーチ内のPCで受信し、その映像を使用します。

マラソン中継映像のイメージ)(画像を追加

なお、今回の実験では、UHF帯RFIDタグとそのリーダを使用し、ランナーの到着順位を 表示するシステムの実験が市工を中心として行われます。読み取り及びデータ処理の プログラムは市工の生徒が開発しました。

WiMAX機材についてはPureWave Networks社 の協力を、無線LAN機材についてはCisco社の協力を頂いています。

システム構成

映像とネットワーク全体の機器構成は次のようになる。
今回はWiMAX機材の都合で、広島市立大学のバックボーンネットワークとの間に NAT装置を入れている。

中継装置の構成)(画像を追加


機材の配置は以下のようになり、ゴール付近にRFID関連機材、近くの観客席下の 会議室に配信機材を設置する。なお、雨天時にはゴール付近にテントを設置する。

ビッグアーチ内配置図)(画像を追加


グランド内を鳥瞰した配置図を以下に示す。

グランド内の機材配置)(画像を追加

ビッグアーチでのWiMAX通信テスト(1/29)

マラソン大会の中継に備えて、1月27日に大学屋上に設置されたWiMAX BSとの 間の通信テストを実施した。WiMAX CPEを大学から約2km離れたビッグアーチ (広島広域公園陸上競技場)の持ち込んで、通信のテストを行ったところ、 2~3Mbpsの速度が双方向で出せることが確認できた。

WiMAX基地局とビッグアーチ

ビッグアーチに設置したCPE


本番での機材配置のために、ビッグアーチ内のロケーションも確認しておく。

ビッグウェーブ内ロケーション


研究室の学生を中心に、リハーサルとして、ビッグアーチの一室で 配信に必要な機材を設置し動作を確認した。

配信機材のセットアップ


電光掲示板に映像が出せるかどうかのテストも行う。

ビッグウェーブの電光掲示板

前日の準備の様子(2/16)

市工マラソン大会の開会式はAM9:00過ぎから始まるが、ビッグアーチは8:30から しか入れないとのことで、当日の朝だけで機材の搬入と準備&動作確認を行うのは 時間的に非常に厳しい。幸い、前日にNTT西日本の駅伝大会が行われており、 ご厚意で、AMの準備時間にWiMAX中継の準備もさせて頂けることになった。

当日は気温は低いが天気はよく快適な天候になった。

グランドの様子


準備は4つのチームに分けて行った。事前に行ったリハーサルと打合せに従い、 各リーダのもと準備を進めた。

  1. 映像・エンコーダチーム
  2. CPEチーム
  3. WLANチーム(APとブリッジの両方)
  4. 遠隔カメラチーム
  5. RFIDチーム(広島市工業高校)

映像・エンコーダ・カメラの設置

観客席下の会議室にて、映像・音声関係の機材と、Windows Media Encoderを 中心とするネットワーク機材の設置とセットアップを行う。

映像・ネットワーク機材の設置


メインカメラは10mの延長同軸ケーブルでグランド内に配置し、 マイクは周辺音を拾いやすいようにビデオカメラをそのまま使用した。

メインカメラとマイク


一通り設置が完了。CPEと無線LANの設置を待ち、実際の通信テストを行う。

映像チーム準備完了


同時に、会場内の大型電光表示器に映像がでるかどうかのテストを行う。
この写真に写っているのは、ビッグアーチの外の遠隔カメラ(PC)で撮影し、 無線LAN経由してVLCで送信されてきた外の映像である。 VLCで受信した映像をカメラに取り込んで、NTSCにてビッグアーチの映像システム に送り込んでいる。

大型映像表示板のテスト

CPEと無線LAN APの設置

ビッグアーチの2Fの通路にて、大学を見通しできる場所にCPEを設置する。
同時にHUB(L2 SW)を設置し、CPEと無線LAN AP、エンコーダを結ぶ。
そこから1Fのエンコーダのある会議室までは、UTPを観客席に沿って通す。

CPEの設置


今日は天気がよいので、CPEの背後に大学がきれいに見通せた。

CPEと大学


無線LAN APには高利得のアンテナを取り付け、第二球技場横の道路に設置する 無線LANブリッジとの間で通信を行う。

無線LAN APの設置

遠隔カメラの設置

第二球技場横では、無線LANブリッジ(2つの無線LAN間の中継装置)と アンテナを設置し、ビッグアーチ側のネットワークに接続する。

無線LANブリッジの設置


同時に、遠隔カメラに使用するPCとUSBカメラの設定と動作確認を行う。
USBカメラは手持ちだと画面がふらつき見にくいため、本番では三脚を使用することにした。
※カメラ用三脚は結局全部で5本使用

遠隔カメラの準備

RFID着順表示システムの設置

市工(と広島大学)のメンバによって、UHF帯RFIDタグを使用した 着順表示システムのセットアップが行われた。

RFIDタグリーダの設置

RFIDタグリーダ1


着順表示のプログラムが動くPCの画面はビデオカメラで撮影し、その映像を 他の映像とPicture in Pictureで合成する。スキャンコンバータも 使用してみたが、ビデオカメラで撮影したほうが綺麗でかつ部分拡大も容易で あった。

RFIDタグリーダ2

リハーサル

個別テストが終わったところで、結合テストと翌日のシナリオに沿った リハーサルを行った。大きな問題はなくテストは完了した。

テスト完了


13時より関係者で集合しミーティングを行い、翌日の予定と作業内容などを話し、 それぞれのチームごとに確認が終わったところで解散し、外に設置した機材を 会議室に撤収し翌日に備えた。

集合写真

WiMAX配信実験当日の様子(2/17)

前日不足していた機材を持って大学から8:15に出発し、ビッグアーチにて8:30から セットアップを開始する。
当初はビッグアーチの外で行っている開会式は中継しない予定であったが、 無線LANを使った遠隔カメラが意外に使いやすいので、これを使って中継を行うことにした。 そのため、9時過ぎまでにすべての準備を終える必要があった。

本番当日は朝から雪がちらつくあいにくの天気となった。幸い、中継中は 曇り時々晴れの天気となり、何とか天気の問題はクリアできた。

機材準備

昨日片付けておいた機材や配線を再度設置する。

CPEを2Fに設置し、会議室との間に再度UTP配線を通す。

UTP配線を通す

CPEアップ


WiMAXネットワークはすぐに使えるようになったので、 さっそく配信のテストを開始する。

配信テスト中


これがメインの映像機材となる。

配信機材のアップ


マイク用カメラに使用していた三脚が遠隔カメラ用に使われたので、 代わりの簡易三脚を使用した。

マイク用カメラ


場内の大型電光掲示板に映像がでるかどうかも昨日同様にチェックしておく。

大型電光掲示板のテスト

生徒とRFIDの準備

開会式に、市工の生徒の右の腰付近にRFIDタグを貼付する。人体の影響があるため、 プチプチを間に何層か入れて距離をとるようにしている。

生徒へのRFIDタグの取り付け


8番コースのゴール付近では、RFIDリーダや着順表示システムのセットアップが 完了している。

ゴール付近の準備

スタート

生徒の入場が始まった。

生徒の入場


男子のスタート。人数も多く気合いが入っている。

男子のスタート

電光掲示板に移る男子スタート

男子スタートと電光掲示板


配信が順調に行われているか見守るスタッフ。

配信状況を見守る

無線LANとPCによる遠隔カメラ

一方、ビッグアーチの外では、PCとUSBカメラと無線LANを使った遠隔カメラ を設置し、開会式の様子と場外を走る生徒を撮影し、VLCを使って映像を ビッグアーチ内に中継した。


カメラは市販のUSBカメラを使用し、三脚に固定した。

遠隔カメラの様子


PCは小型軽量のVAIO Uを使用し、この無線LANで通信を行う。

近くに設置したCisco社無線LANブリッジに接続し、 またそこからビッグアーチに設置した無線LAN APを経由して通信を行った。

遠隔カメラの機材

無線LANブリッジ

ゴールとRFID着順表示システム

最初に女子がゴールし、その映像と着順表示の画面をPinPで合成し、 インターネットに配信されると同時に場内の大型ディスプレイにも 映し出された。

大型ディスプレイに、ゴールの様子と着順が映るため、場内の生徒にも 好評であった。

電光掲示板の女子の入場


続いて男子のゴール。男子は数百名おり、着順表示システムが威力を発揮した。

男子ゴール付近

男子ゴール正面


今回、タグとリーダには日立のシステムを使用している。 タグの読み取り・集計プログラムは市工の生徒が開発した。
走る人体に取り付けたにもかかわらず読み取り率は98.5%にもなり、 非常に効果的に集計が行われた。

RFID着順表示システム

着順表示画面アップ

閉会式と撤収

全員がゴールしたところで、一部のカメラや機材の撤収を開始した。

撤収開始


閉会式(表彰式)が始まった。
再び雪がちらつき始めたが、中継中は何とか天候が保ってくれてよかった。

閉会式開始

閉会式


以上、WiMAXを使用した遠隔によるインターネット映像配信と、RFIDを使用した 着順表示システムの実験は成功裏に終わった。


  最終更新のRSS